記憶の天窓

好きなものの記憶

O-nestと大好きなアイドルの話

 

約三年前、私がよく行っていたライブハウスがあります。
当時好きだった若手バンド四組がよくライブをそこでしていたから、私も自然とそこに行く回数が多かった、というだけの話なのですが。その四組のうち三組はまだバリバリ活動していて、リキッドルームやBLITZでワンマンをするレベルに成長した者もいます。
ただ、私が四組の中で一番好きだったバンドは実質解散しました。(ちなみにTOKYOGUMといいます。よかったら動画サイトなどで検索してみてください。)
その解散や、三組の成長に伴って私がそのライブハウスに出入りすることはほとんどなくなりました。

 

それがTSUTAYA O-nest。今回二丁魁がライブをする会場でした。

 

私はアイドルに詳しくないので、あまり対バンのライブには行こうと思わないタイプです。相当飢えている時は行きますが。
今回行こうと思ったのは、本当に「nestで二丁魁のライブを見たい」というそれだけの理由でした。THE 夏の魔物さんもBILLIE IDLEさんも全く知らなかった。すみません。

 

公演名が書かれているボードも、受付を済ませた先の階段も、バーカウンターの位置も全部一緒。覚えている。
勝手に過去の己の供養のような気持ちで会場に入って、こんなに狭かったけ!?と思って笑ってしまった(nestのキャパは250)。三年前にはなかった最前の柵は今回だけの仕様だったのでしょうか?びっくりした。
前に行くかどうか悩んで、段上にいるか悩んで、最終的に一日中一緒にいてくださったおなカマさんたちと段下最後方にいることを選びました。

 

二丁魁はトップバッター。男オタさん多いしもしかしてアウェイかも、と思っていたのですが、全然そんなことなかった。ぴんぽんぱんぽーんのアナウンス入った瞬間の歓声がすごくて、今日はもう勝った、と思いました。

 

対バンの時の二丁魁はバチバチ。『耳をすませば』のイントロで出てきた瞬間からギラギラしていた。ステージ奥のカーテンみたいなところに照明が当たるのがアダルティで良い。
かつてバンドを見にきていた場所で二丁魁を見ている。そう思ったら既に泣きそうで、涙を堪えながら見ていた。
Aメロの「思ってもないような〜」の、腕をぐるんっと回す振りの部分のきまるさんがまた突風起こしてた。こんな一瞬の振りでもこの人は全てを巻き込んでいく。

『BUG IS LIFE』の大サビ、正直視界は悪くて推しの姿は見えなかったのだけど、閃光を放っているのが見えた。
届け届け、と思ってケチャをしていたら、推しのパートが終わった瞬間にもっと眩しい希望の流れ星が飛んできた。強いな。やはりこの部分はいつ見ても特にバチバチしている。

バグズの最後の手の指が1〜4の数字になる。この繋ぎ見たかったやつ!!!気づいた瞬間に地団駄みたいなものを踏んでしまった。
『ウサギと賽子さん』
イントロの振りで首を回す推しの色っぽさったら。
個人的に対バンは盛り上がる系の曲を詰め込むイメージがあるので、一つ違う雰囲気の曲がセトリに入っていると攻めていて嬉しくなります。

からの『三原色カタルシス』。
緩急が激しくてこの頃にはフラフラの汗だくでした。それでも気力で手を挙げていました。
そして、なんだか推しの顔が少し険しすぎていることに気づいてしまった。気づいてしまった時にはもうこっちの情緒が壊れた。悲鳴みたいなコールをしながら周りの推しジャンを見て、一つ決意が固まりました。それは次の曲ですぐに実践に移る。

 

私は推しジャンをしたことがありませんでした。そもそもジャンプ自体あまりしない。しても足が完全に地を離れることはなかった。
それは腰痛持ちだからという身体的理由もあるし、絶対不恰好だから、とか周りの邪魔になるから、とか色々考えてしまう故でした。
でも頭が働いていないこの状況、なんだかできてしまう気がした。
『まるもうけ』の中の推しのパートで地を蹴った瞬間の気持ちよさを覚えています。自分の跳躍力のなさに笑ってしまいそうになっていたら、大好きなおなカマさんに腰を支えて持ち上げられてすごく体が軽くなった。自分の体があんなに軽くなる瞬間、もう一生ないと思う。
多分やっぱりすごく不恰好だったと思う。腰痛が怖いからもうやらない気もする。でも今日だけは、本気で、いつだって本気だけど、いつも以上に本気で推しに届けばいいな、と思った。ちゃんと表したかった。
私の推しジャン「見たかもしれない」て言ってくれて、いやあんな後ろからだし見えたわけないでしょう、と思ったけど、あんなに高く飛べたのは私だけの力じゃないから、少しでもあなたの視界に入ったなら幸いです。

まるもで終わりかもな、と思ったらやっぱりきた。最後にシワGAY。
酸欠になりそうになりながら踊り狂っている間に終わってしまった。

 

一生分の汗をかいた後、段上で少しゆったりしながら見た(とはいえ腕挙げたりして普通に盛り上がってしまった)BILLIEさんも夏の魔物さんもすごい楽しかった。
メインの現場は二丁魁から動かないだろうけど、もっと色々な音楽聴こう〜と思いました。

 

よくバンドのライブを見にきていた場所で、大好きになったアイドルのライブを見るのは、とても不思議な気持ちでした。
アイドルを好きになることは私にとってとても怖くて勇気がいることだったけど、こうして思い出の場所に帰ってこれるのなら、安心して好きでい続けられると思いました。
あの時代は戻ってこないし、解散した彼らも帰ってこないけど、また新しい時代をここから築けるよ。