記憶の天窓

好きなものの記憶

余談

2018年8月21日

 


お昼過ぎ、原宿にて初めてゲイマガジンを配っているところを見守りました。
竹下通りのあの人の多さの中だと、不思議なことにあの派手な衣装が馴染んで見える。現に見つけるまでにちょっと苦労しました。
二丁魁を知らない人が興味を持つ瞬間を生で見れる反面、シビアな面もチラチラ見ました。とはいえ、マガジンを受け取ってくれる瞬間を見るとこちらまで嬉しくなるし、それはシビアな瞬間の悲しさに勝るほどでした。
冗談を言いつつ、いつものニコニコ笑顔で配るミキちゃん。
持ち前のノリの軽さで諦めずに追いかけて渡しに行くぺいちゃん。
狙いを定めて丁寧に、誠実に渡しに行くきまるくん。
顔圧で攻めていく推し。
それぞれのやり方でマガジンを配り終えていく様は圧巻で、少し心配していた自分が馬鹿らしくすら思えました。
竹下通りを吹き抜けていく風が新衣装のスカートを靡かせる度に、どうかこの嫋やかな花が折れることなく、枯れることなくありますように、と願っていました。

 


更に余談


私の推しは顔がすごい綺麗な人です。「イケメン」とかじゃなくて「顔が良い」。
本人がそれをコンプレックスととっているのか武器ととっているのかは正直分からない。ただ確実なのは、アイドルをするという点では『武器』たりえるということです。
アイドルをアイドルたりえるものというのは歌、ダンス以外に私なんぞにハッキリとしたことは分からなくて、人間性、キャラ、対応、色々あるんでしょうけど、やはりパッと見で分かりやすいのは顔なんだろうなと思います。(あくまで『分かりやすさ』です。一番重要、という意味ではありません)
現に推しがマガジンを配っていた時、推しの顔を見てハッとする人が何人もいた。そりゃそうだ。その距離で突然そんな綺麗な顔見たら心臓麻痺起こしかねない。贔屓目ですけど。
だからこそのそんな出来事だったんだろうなと思います。私は好きになったばかりの時そういうことは思わなかったのですが、でも思ってもおかしくなかった。『ゲイアイドル』てかなりパワーワードだから。
多分こういうこと初めてじゃないんだろうな。
ただ、顔が良い=「ゲイ」であることがもったいない、から、顔が良い=「ゲイアイドル」であることがもったいない、て言われることによって、傷がつくものが自分から所属するものに変わったんだと思います。
私にとってあなたがゲイアイドルであるということは、別にもったいなくはないし、むしろぴったりだというか、なんだろう、超偉そうな言い方をしてしまうと「ふさわしい」と思います。
私が偉そうだったり知ったような口を叩くのは今に始まったことではないのですが、いつも申し訳ないと思っているのですが、またこいつ勝手なこと言ってるよと思ってください。
あなた以外の「白鳥白鳥になったかもしれない人」たちにもそれぞれ過去や物語があって、もしかしたらその人たちの方が歌やダンスが上手かったかもしれない、顔だってあなたに負けないくらい綺麗だったかもしれない、意志も強かったかもしれない。
でも、結果論として、そういう気持ちを持ってくれるあなたが『白鳥白鳥』でよかったと思いました。
正直、顔が綺麗なだけのアイドル、顔が綺麗なだけの男ならその辺に五万といるんですよ。私はあなたが『ゲイアイドル』『二丁目の魁カミングアウト』『白鳥白鳥』だから好きになったんです。『白鳥白鳥』として大切にしたいもの(つまり二丁魁)を手に入れたあなたが好きなんです。
「白鳥白鳥になる以前の誰か」は正直好きでも嫌いでもないというか、私の関与するものではない。てか知らんし。でもそれはそれで大事なものだから、好きに生きてほしい。
『白鳥白鳥』が好きだから、推しだから、あなたが嬉しいと思ったことは私も嬉しいし、悔しいと思ったことは私も悔しい。感情の共有なんて完全にはできないけど、少なくともあなたが「こういうことがあって、こう思った」と教えてくれる分は共有したいと思った。考え方を全肯定するわけじゃないから、共感じゃなくて共有。
だから何が言いたいかっていうと、


私も悔しいです!!!!!!!!!


なーにがもったいないじゃいっぺんライブ見てみろや、と最初は思っていたのですが、この話の本質はそこではないよなあと思ってずっとモヤっとしたまま黙ってました。
悔しいのは本当。あなたがそう思ってくれたことが嬉しいのも本当。
でも何より、いつかその言葉を言ったその人がまた二丁魁に巡り合った時に、二丁魁のあり方を認めてくれるような(あわよくば大好きになってくれるような)場所を用意できるように、一ファンとして誠実に二丁魁のそばにいたいと思いました。


あなたが『二丁目の魁カミングアウト』で、『白鳥白鳥』になってくれて、アイドルになってくれて本当によかったです。出会ってくれてありがとうございます。
ただの私の思考メモでした。